試合の前には必ず「かつ丼(勝つ丼)」を食べる、という人は多いかもしれませんね。私も今日こそは!という日には「かつ丼」や「昆布(喜ぶ)」「鰹節(勝つ)」など、おめでたい食材を用意するようにしていました。しかし結果を残したいスポーツ選手にとっては、ゲン担ぎよりも体のエネルギーになる食事をした方が結果につながります。
試合前に必要なエネルギー
多くのエネルギーを消費する試合当日は、エネルギーを蓄えて、疲労していない状態で挑みたいところです。そんな体のエネルギー源となるのが、グリコーゲン。グリコーゲンはブドウ糖の塊で、人間は動くほどにグリコーゲンが減り、このグリコーゲンがなくなってしまうと動けなくなってしまいます。グリコーゲンは筋肉や肝臓の中に蓄え荒れており、普通の人は250~300gのグリコーゲンを筋肉に蓄えていますが、トレーニングを積んでいる人は約500g以上も蓄えられています。筋肉量が増えるとグリコーゲンを貯めておく量も増やすことができるのです。
グリコーゲンローディングでエネルギーを蓄える
体内にグリコーゲンが多いと、選手はそれだけたくさん動くことができます。そのため、試合ではたくさんのグリコーゲンが必要になるので、試合の数日前から試合当日まで、グリコーゲンが多く摂れる食事に切り替えます。これをグリコーゲンローディングと言います。試合の数日前からいつものバランスのいい食事ではなく、糖質中心の食事内容に切り替えるので、逆算して食事の計画を立てておくのがおすすめです。特に、マラソンやサッカー、自転車ロードレースなどの持久力が必要なスポーツには適しており、逆に重量挙げなどの筋力を使う競技では向いていないので、スポーツに合わせた食事をするのが大切です。
試合前から試合当日までの食事
グリコーゲンローディングは、ご飯やパン、麺類を増やして糖質を多く摂り、肉や魚などの主菜を減らします。また、揚げ物や炒め物などの油を使った食事を控えます。脂質のエネルギーを主食にまわしたいからです。そして、ビタミンB1を摂るように心がけてください。ビタミンB1は糖質の代謝を促してくれる栄養素で、疲労回復を助ける働きもあるので、試合前にはしっかり摂っておきたいですね。具体的には、試合3日前には糖質中心の食事に切り替えます。ご飯やパン類、麺類、果物を多めに取り、野菜や肉、魚を少なめに調整します。疲労を残さないようにトレーニングは軽いものに切り替えてください。そして試合当日には、高糖質で消化のいいものを選びます。おにぎりやバナナ、うどんなどです。食事の時間も、試合スタートから3時間から3時間半前に終わらせるようにしておきます。試合前に食べ過ぎる、もしくは少なくてお腹が空いてしまうのでは試合で力を出し切ることができなくなってしまいます。普段から食べる練習もトレーニングとして組み込んでおくといいでしょう。
グリコーゲンローディングで結果を残す!
試合3日前から試合当日までは、エネルギーを貯めておかなくてはならないので、持久力が求められるスポーツではグリコーゲンローディングが有効です。試合前のゲン担ぎのかつ丼は、消化に時間がかかるので試合にも悪い影響が出てしまいます。スポーツフードアドバイザーの講座を受ける前、私自身もゲン担ぎとして体のパフォーマンスのことも考えずにいろいろな食事をしていましたので、ちょっと反省です。講座を受けて、ちょっとしたことに気をつけるだけで体の動きが変わってしまうことがわかってよかったです。これからもスポーツフードアドバイザーの勉強を続けて、結果の残せる食事をしていきたいと思います。