カチャトーラとは、イタリアに古くからある煮込み料理です。私も今まで家庭料理として作っていましたが、メインの材料だと思い込んでいたものが落合風には入っていなかったのです。私が今まで作っていたカチャトーラは、カチャトーラのひとつであったことが判明しました。落合流のカチャトーラはワインや酸味の風味が味わえる大人の味でした。
落合流のカチャトーラにトマトの水煮缶は出てこない
私が今まで作っていたカチャトーラは、簡単に言うと鶏肉と野菜を炒めてトマトの水煮缶を入れて煮込むというものでした。それも間違いではなく、家庭によってはそのようなレシピもあるようです。しかし、落合流のカチャトーラにトマトや水煮缶は出てきません。鶏肉とトマトは必須だと思い込んでいたので、レシピにトマトの文字がないことに驚きました。落合流のカチャトーラの酸味は赤ワインビネガーでつけます。家庭料理というのは、そもそも地域や家庭によってレシピが違うので、何が正解というものはないでしょう。しかし、落合流のカチャトーラで今までにない大人風味のカチャトーラを味わうことができました。
まずはしっかり鶏肉を焼く
フライパンにオリーブオイルとローズマリーを入れ、風味がついたらにんにくと赤とうがらしを入れてさらに風味をつけて取り出します。次に、小麦粉をまぶした鶏肉を入れて焼くのですが、ここで重要なのは、ちょこちょこ触ったりひっくり返したりしないことです。そうすることによって、皮がパリッとしてこんがりとした焼き色がつきます。もうこのまま食べてしまいたいと思えるほど良い香りがして、香ばしく焼きあがりました。
ソフリットを作る
ソフリットとは、野菜をオリーブオイルで炒めて料理に使うものですが、落合流カチャトーラは鶏肉の色味にあわせて白い野菜の玉ねぎとセロリを使っています。鶏を炒めたあとのオイルで作り、コクを出すためにアンチョビを一切れ加えます。
ビネガーとワインは強火で水分を飛ばす
ソフリットを作ったあとに鶏肉を戻すのですが、そのあとに赤ワインビネガーとワインを入れる工程があります。まずは赤ワインを入れますが、水分を飛ばすためにソフリットと鶏肉が焦げるのではないかと思うくらいの強火にかけて鍋を熱くします。赤ワインビネガーを入れた瞬間はジャーっという激しい音が鳴ります。今まで水分を飛ばす料理を作ってきたときは、材料の焦げを心配して、ここまで鍋を強火にして入れる勇気がありませんでした。しかし、強火にしてから水分を入れたほうがすぐに水分が飛ぶことを落合流で学べました。水分が飛ぶと甲高い音に代わるので、強火のまま白ワインを入れて同じように水分を飛ばします。
シャバシャバしないカチャトーラが完成
今までカチャトーラを作ったときは、食材とソースの水分が分かれ、食材にソースが絡んでいない気がしました。これは火加減が下手だったようです。落合流のカチャトーラを作れば、水分が油分をうまく包み込んで乳化しているので、トロッとしたソースになり、ソースが食材にきちんと絡みました。トマト煮込みのカチャトーラも美味しいですが、この講座で素材の味やビネガーやソフリットの深みがある、新しいカチャトーラの味に出会うことができました。普通のレシピ本には美味しくなるコツや美味しくなる材料が書いてあります。しかし、どうして食材とソースが絡まないのかなどのちょっとした疑問については触れられていません。この講座では、ドレッシングやソースがうまく絡んでいることこそが美味しさのコツとして、上手な絡ませ方や理由を紹介してくれます。そこを理解できると、どんな料理にも応用できるのです。どこでも教えてもらえない料理のコツをこの講座で知ることができたので、日頃の料理に満足していない方や料理初心者の方にぜひおすすめしたいです。