速水もこみちのクッキングマイスター講座も最後の冊子になりました。3冊目はもこみち流盛り付け術が学べます。料理は味が大切なのは言うまでもありませんが、「おいしそう」な見た目もおいしさに関わる重要な要素です。どんなコツがあるのでしょうか。
同じ料理・盛り付けでも皿を変えるだけで印象ガラリ
もこみち流の盛り付け術のポイントは3つ。「彩り」「器の形」「高さ」です。彩りとは食材の彩りのことかな?と思っていたら違いました。盛り付ける皿の色や材質を変えると同じ料理でもガラッと雰囲気が変わるということです。たとえば、同じ平皿でも木の皿だとカジュアルな雰囲気を出すことができますが、黒の陶器だと洗練された雰囲気になります。教材では、それぞれの皿の特徴が詳しく解説されていて、これから食器を選ぶならまずは基本の丸形のものからそろえてみようとありました。持っておくと便利なのは、白、黒、木のプレートの3枚だそうです。丸皿の次に選ぶなら、四角のプレートがおすすめ。器の形が違うと、ふさわしいシーンが変化します。例として登場したのは、シリアルの盛り付け。白い四角い深皿だと、シンプルでカジュアル、盛り付ける部分よりも余白が多めの皿だとおしゃれな印象に、そして木製のボウルだとカフェのような雰囲気になるということでした。
そして高さは、パスタの盛り付けが紹介されていました。もこみち流のパスタの盛り付けは少量ずつねじりながら。一人分の盛り付けの場合は、中央がこんもりするように高さを出します。粉チーズは、食材と食材の間に振り、皿の縁にもかけるとレストランで出てくるようなおしゃれな印象に早変わりします。
「おいしそう」な料理は盛り付けも丁寧
テキストの1から見ていて感じたのは、もこみち流の盛り付けは具材を一つ一つ丁寧に皿に盛り付けていくこと。私はパスタの場合、フライパンからガサっと一気に皿に入れて、最後に形を整えることも多いのですが、
もこみちさんは最初にパスタをトングで少量ずつとり、少しずつ皿に載せていきます。パスタができたら次に具材の盛り付けに入ります。具材は全体のバランスを見ながら、フォークですくってスプーンを添えながら盛り付けていく。仕上げの粉チーズや、ハーブも上から適当に振りかけるのではなく、食材と食材のあいだに置いていくイメージ。一つひとつの工程を丁寧に進めているという印象を持ちました。「おいしそう」な料理には、そうした気配りも大切だなと感じます。
我が家には汁物の盛り付けにちょうどいい皿が少ない
テキスト3を見たあとに作ってみたのはメキシカンスープ。工程は野菜を刻んで、
ベーコンをカリカリに焼いて、
具材を炒めたらコンソメスープを加えて煮込むだけ。正確にはトルティーヤとアボカドを入れていないので、メキシカンスープもどきです。火傷をしないように口が広い深みのある皿に、一人分を盛り付け。
スープの評判は上々で、子どもたちは「おかわり!」と言っていました。ほかのおかずや主食は残しているのに、スープばかり食べていました。皿は料理の印象を左右するということは頭では分かっているものの、どんな料理を盛り付けるかを考えながら選ばないので、いつも好き嫌いだけで選んでしまいます。汁物を作ってみて、うちには汁物を楽しむための器が少ないことに気がつきました。作る料理のレパートリーに応じて皿を増やしていくのは大変ですが、今後は料理の完成形をイメージしながら皿選びを楽しむ視点も持ちたいと思います。テキスト3は皿選びや盛り付けに役立つ情報が満載です。次は、テキストに一通り目を通してから料理作りをしたいと思います。